シンガポールを拠点に、東南アジア各国の営業を統括

Epson Singapore Pte. Ltd. Commercial Products, Regional Manager/笠原 純希

2019年に中途入社されたそうですが、転職の経緯やエプソンに入社を決めた理由を教えてください。

新卒で入社した精密機器メーカーでは、技術者として画質処理技術の開発や新製品の画質評価を担当しました。合計8機種16モデルの新製品の画質設計を経験した後に、マーケティング部門に異動し、技術者の経験を生かして商品企画や販売戦略立案に従事しました。そうしたなかでグローバルマーケティングへの興味が強くなり、より事業規模が大きく、自身の一層の成長が期待できるエプソンに転職を決めたのです。

エプソンに入社してからは、どのような業務を担当されてきましたか。

入社後は、LFP(ラージフォーマットプリンター)初となるUVインク搭載の大型プリンターのマーケティングなどを担当。これほど早く重要な製品を任せてもらえることに驚きましたが、前職での経験を生かせ、海外販社や開発部門からも高い評価をいただきました。

前職より会社の事業規模が大きくなったため、業務を進めるにも多くの部門の協力を得る必要があり、確認や調整の難度は上がりました。そこで、自分から周りに働きかけ、キーパーソンを紹介してもらうなど積極的な動きを心がけました。これは社内ネットワークを広げる意味でも役立ったと思います。

2022年からはシンガポールに赴任中と伺っています。どういった活動を行っているのでしょうか。

エプソンの地域統括会社であるエプソンシンガポールは、東南アジア6カ国の販売拠点を統括しています。東南アジア市場では、特にベトナム、カンボジア、インドネシアにおける衣料品の製造が活況なため、当社製品でもテキスタイル系のプリンターが主力となっています。バスケットボールチームのユニホームや民族衣装などの国内需要に加え、建設ブームからくる看板などのサイネージ制作の需要も旺盛です。

そのなかで、私は新製品のローンチ活動や製品トレーニングを通じて傘下販社の売り上げを伸ばすようなサポートを実施しています。現地メンバーとともに、プレセールス・CSチームの管理を行い、製品購入からアフターサービスまで一貫してソリューションを提供しています。東南アジア各国と英語でやり取りするので、聞き取りなどの苦労はありますが、日本にいたころより業務範囲が広がり、より販社やお客様の声を聞けています。

新たな仕事を後押ししてくれる企業風土

笠原さんがキャリア形成において大事にしていることや、今後の展望を教えてください。

新しいことに挑戦できる機会があれば、最大限に生かしたいと考えています。実際、技術職からマーケティング・営業職へと幅を広げ、エプソンへの転職後に新製品を担当し、慣れてきたところで上司から海外赴任の打診を受けて、挑戦を決意しました。

エプソンには新しいことにチャレンジできる環境がありますので、常に先を見据えて仕事の幅を広げていきたいです。今後の展望として、エプソンと外部ブランドでコラボレーションする取り組みに興味があるので、そうしたプロジェクトにも参画したいと考えています。

この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

当社の魅力は、エプソンのブランド力を生かして、グローバルでも大きなビジネスを動かせる点です。私自身、大判プリンターの北米エリアの担当をしていた際に、グローバル企業の大きな商談で製品のカスタマイズ対応の要望を受け、社内の関係部署に協力を仰いで調整した経験があります。このような大きな仕事もできる会社ですので、人とコミュニケーションをとるのが好きな方は活躍しやすいと思います。業務を進めるうえで知見の豊富な関係者が多く、提供サービスもたくさんあるなかで、「こうしたい」を実現しやすい環境です。皆さまのご応募をお待ちしています。

イギリスで、生産オペレーション改善を推進

Epson Telford Ltd. (ETL/英国) Corporate部門 Corporate Commercial Supervisor/上里 咲名

2017年に新卒でエプソンに入社されたそうですが、入社の理由や、入社後の経歴を教えてください。

私は新しいモノづくりにワクワクする性格で、技術力の高いメーカーを軸に就職活動をしていました。その選考過程で会った社員の雰囲気に好感を持ち、エプソンに入社しました。

1年間の研修期間を経て、その後はビジネス系プリンターのインクパック・インクボトルの生産管理業務に従事し、生産・出荷計画の立案や新製品立ち上げなどを経験しました。私の場合は、中国やインドネシアにおける生産管理を担当していました。配属当初は生産管理システムを使用した生産・出荷計画の立案がメイン業務でしたが、徐々に、各拠点で在庫数を最適化できるよう、生産や出荷を調整したり、たまった在庫は解消できるよう対策をとったりするなど、改善に務めてきました。

エプソンは全世界に拠点があるので、海外拠点と仕事をすることが多くあります。留学経験などはありませんでしたが、海外の工場とやり取りするなかで、現地の工場を見たいと思うようになり、海外勤務を希望しました。

現在はイギリスの生産拠点に駐在中とのことですが、どういった活動を行っているのでしょうか。

同拠点では分散生産の観点からヨーロッパ向けのインクカートリッジやボトル等の消耗品をメインにしていますが、アジアやアメリカ向けの生産・出荷も担うこともあります。私のミッションは、コロナ禍で生産管理をサポートする日本からの赴任者が数年間途絶えたことによる現地の状況を、あるべき姿に向けて改善することです。具体的には、日本で社内システムを使用して立てられた生産・出荷計画を達成するために製造現場への生産指示の方法を改善したり、調達業務のシステム化を進めたりといった業務を行っています。

グローバルの視点から、サプライチェーンの全体最適を目指す

上里さんが仕事を通じて感じるやりがいや醍醐味を教えてください。

生産管理はサプライチェーン全体を見渡して全体最適を考える仕事ですので、全体の状況を把握して判断し、周囲の部門を動かしていくところがやりがいです。何か課題が発生した際に、販売会社の販売状況、生産ラインの制約、物流費用と速さのバランスなどを考慮して、最適な判断ができたと思えたときには達成感があります。

また、自分の経験やスキルを生かして改善を達成できたときにもやりがいを感じます。たとえば、以前担当していた別の工場では余剰在庫が頻繁に発生していました。在庫を適正化するため、毎月工場から在庫レポートを提出してもらい、在庫金額と今後の販売予測を考慮して、サプライチェーン全体で余剰となる品目があれば他に転用できないかを検討する運用を始めました。これによって、余剰在庫を削減できました。若手のときから自分の努力次第で大きな改善につなげられると感じています。

現在は、現地スタッフと協力してさまざまな改善を進めています。日本に帰国後はこの経験を生かし、グローバルな視点で生産管理として戦略を立てられるようになりたいです。

記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

エプソンではグローバルに仕事が広がっているので、海外での経験を積める点は間違いなく成長できる機会だと実感しています。赴任前には、勤務時間中に提携する英会話スクールから派遣される講師のレッスンを受けられる制度もありますので、成長意欲のある方はぜひ海外駐在に挑戦していただきたいです。

また、エプソンの本社がある長野県は、スキーや登山などアウトドアのイメージがありますが、美術館やカフェも多く、アウトドア派はもちろんインドア派の私もオフタイムの楽しみには事欠きません。音楽が好きでアコースティックギターを演奏するのですが、地元の音楽サークルにも参加していて、カフェや屋外ステージで演奏する機会もあります。さまざまな魅力のある当社に興味を持っていただけると幸いです。

化粧品会社からの転身。イタリアでデジタル捺染技術をけん引

Epson Italia S.p.A. DTF Ink Development/涌島 勇貴

涌島さんは2015年に中途入社されたそうですが、転職の背景や入社後の経歴を教えてください。

前職では化粧品会社で製剤研究開発を行い、自社製品の処方開発から量産までの業務に従事しました。その間、英語を学び海外の方と触れ合ううちに、海外に関わる仕事がしたいと思うようになったのです。そんなときに、グローバル展開しているエプソンの人材募集があり、機械メーカーに化学系からアプローチするのも面白いと考えました。

入社後は、日本でデジタル捺染(なっせん)プリンター向けのインク開発業務を約4年間担当しました。海外と関わる業務も多く、日本にいながらイタリアの関係会社での新たな研究開発施設の立ち上げを経験しました。

現在はイタリアに赴任中とのことですが、どういった活動を行っているのでしょうか。

現在所属しているイタリアのコモ地域にある会社は、現地スタッフが多くを占めてますが日本人も数名在籍しています。そのなかで私は、2018年に開設した、捺染印刷用インク技術の研究開発施設「Innovation Research Lab」に、2019年から勤務しています。赴任当初はインクの開発業務が7~8割でしたが、現在はラボの運営維持管理、現地メンバーへの引き継ぎ、お客様対応などを主に担当しています。

ラボのあるコモ地域はミラノから北西40kmに位置する世界有数の捺染業の集積地で、世界中のハイブランドのオリジナル生地がこの地で生産されてきました。しかし、捺染は、版を作って染料で模様を染め出していく過程で熟練した職人技が求められるために、安定的な生産量を保つことが難しいという現状があります。また、染料を落とす際には大量の水を使用するため、環境面でも課題を抱えていました。

エプソンではこれらの課題を解決するべく、新しく誕生したラボとイタリアの既存拠点が連携するかたちで、デジタル捺染の普及を強化しました。デジタル捺染では、より繊細なデザインを布上で再現できる他、小ロット生産もでき、水の大量消費も行いません。こうした価値が認められ、いまではイタリアの捺染の6~7割がプリンターに置き換わるまでに浸透しています。

ヨーロッパのアパレル業界におけるエプソンの存在感も大きく、2022年、2023年のパリ・コレクションでは、日本人デザイナーYUIMA NAKAZATOの衣装制作や会場造作を支援しました。また、2023年6月にミラノで開催された、「国際繊維機械展ITMA(イトマ)」では約1,000平方メートルという出展企業のなかでも最大規模のブースを開設し、インクジェットデジタル捺染機の豊富な品ぞろえや自社製プリントヘッドを持つ強み、世界に広がる販売網とサービス体制をPRしました。

海外拠点でエプソンの第一人者として経験を磨く

海外駐在で苦労した点や、仕事のやりがいを教えてください。

苦労したのは、プロジェクトを進めるときのメンバーへの伝え方です。日本では何か新しいことを行うときに過去の反省を次に生かすという考え方がありますが、欧州では同じような考え方で提案を行うと、受け入れてもらえないようなケースが時にあります。そのため、「こうするとより良いのではないか」といったポジティブな表現を使用して相手のモチベーションを上げることを意識しています。

また、エプソンとして要求する技術レベルを理解してもらい、品質を満たすために必要な項目と評価、設計思想を伝え、技術を提供し、習得してもらう過程は、根気が必要です。しかし、伝え方を工夫することで、現地スタッフもお客様の要望に応えられる技術を提供できるようになってきているのを実感しており、それが大きなやりがいと自信になっています。私の赴任中にもう一段向上させ、本社からもイタリアメンバーのインク技術を認められるのが目標です。

最後に、この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

エプソンの海外拠点で活躍するうえで大切なのは、前向きで誠実な姿勢だと考えています。お客様はわれわれ赴任者を日本本社の代表者と見なして接してくださるので、こまかな要望を受けたり、日本人なら知っていて当たり前と思われていたりする場面も多々あります。そんなときに前向きに受け止め、日本拠点と連携しながら誠実に応えようとするマインドが必要だと思います。

エプソンは多様な事業を展開していますので、ご自身の経験や専門分野を生かせるフィールドが多くあります。私のバックグラウンドは化学で、インクが専門でしたが、海外勤務ではエプソンを代表する立場として働いています。機械など専門外の知識も増え、唯一無二のキャリアを歩めていると実感しています。この記事を読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ応募していただけたらうれしいです。

出典:ビズリーチ 公募ページ「セイコーエプソン株式会社」(2024年11月02日公開)より転載