ハードウェア × ソフトウェアだからこそ実現できる社会課題を解決するソリューション

プリンティングソリューションズ事業本部 P企画設計部長/乾 武文
プリンティングソリューションズ事業本部 P企画設計部リーダー/滝澤 勇気
プリンティングソリューションズ事業本部 P企画設計部/伊藤 彰浩

まず皆さんの経歴を簡単に教えてください。

乾:私は2000年に入社し、主に大型の商業産業プリンターのソフトウェア開発に従事しています。入社当初はPCアプリケーション開発を担当していましたが、その後、ファームウェア開発を担当するようになり、画像処理、メカ駆動制御、システム設計、通信、アーキテクチャ設計など、さまざまなモジュールの設計開発を行ってきました。リーダー、課長を経て、現在は部長としてファームウェア開発に携わっています。

滝澤:私は2010年に入社以来、一貫してファームウェア開発に従事しています。入社当初はレシートプリンターやラベルプリンター等の小型製品の開発を担当していましたが、2016年頃から大型の商業産業プリンターの開発を担当しています。現在はチームリーダーとして、7名のメンバーと共に頑張っています。

伊藤:私は2017年に大手電機メーカーのグループ会社に入社し、空調機等の組込みソフトウェア開発を担当していました。その後転職を決意し、2023年にエプソンに中途入社し、商業産業プリンターのメカ駆動制御のファームウェア開発を担当しています。

エプソンのソフトウェアソリューションが実現するお客さま価値

部門のミッションを教えてください。

乾:私の部門では、主に商業・産業用プリンターのファームウェア開発を担当しています。メカ機構の動作を制御するメカコン 制御やインクジェットヘッドの吐出・駆動制御、クラウドアプリケーションと連携する組込みアプリ等、担当する開発は多岐にわたります。
商業産業用プリンターは大型の精密機器であり、サイネージ、衣類、布生地、壁材・床材などの空間デザインなど、紙以外の様々なメディアに印刷可能で、実は身の回りのあらゆるものがデジタル印刷の技術で実現されてきています。
これらの出力を高品質に実現するために複雑なハードウェア制御が必要であり、また、クラウド連携によってお客さまへ様々なサービス・ソリューションを提供するため、ファームウェア開発部門はとても重要な役割を担っています。

エプソンはプリンター=ハードウェアのイメージが強いですが、ソフトウェアはどのように関わってくるのでしょうか?

乾:確かにエプソンは精密なハードウェアに強みを持っています。しかし、お客さまへサービス・ソリューションをお届けするためにはソフトウェアの力が不可欠です。エプソンはパーパスや長期ビジョンの中で、社会課題の解決により人の暮らしや地球を豊かにすることを掲げています。その実現のためにはデジタル技術、つまりソフトウェアの力が必要になります。
例えば、エプソンの提供する店舗業務の効率化支援用クラウドアプリケーション「Epson Craft Studio」。クラウドサービスを活用して店舗のオンデマンドプリントサービスを支援するソリューションです。店舗に来店したお客様が店頭端末からデザイン・注文をすると、店舗は受注データをクラウド上で管理。大判ポスターやTシャツ、マグカップやスマホケースのような小物雑貨など様々なメディアに印刷可能で、オンデマンドにコンテンツを製作できる。そんなお客様ビジネスを実現するソリューションも可能になります。
また、BtoBのお客さま向けのクラウドソリューション「PORT」では、複数拠点で稼働している商業・産業プリンターをリモート管理でき、印刷指示や稼働状態の確認、エラー監視が可能です。エプソンがお客さまの稼働状況を監視・解析し、お客さまをサポートするというサービスも行っています。
このように、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで、より価値の高いサービスをお客さまに届けることができますし、社会課題を解決するためのソリューションを提供することができると考えています。

企画から参画し、仕様検討、設計、コーディング、テストまで。全てを自社で手掛け、グローバルに活躍するエンジニアの魅力。

エプソンのファームウェア開発の業務内容を教えてください。

滝澤:当社では、ほぼ自社でファームウェアを開発しています。上流工程である要求分析/要件定義、そして、基本設計/詳細設計、コーディング、結合テストまでファームウェア開発に必要な全ての工程を一貫して自分たちで行います。
商品化に向けては、ファームウェアだけでなく、営業、企画、メカ・エレキ、アプリケーション、生産技術、品質保証等多くの関係部門とコミュニケーションを密に取りながら活発な議論を交わし、エプソン社員が一丸となってお客さまに喜んでいただける製品仕様、製品品質を作り込んでいきます。

エプソンのファームウェア開発の魅力やおもしろさを教えてください。

滝澤:企画検討から入り込めるところだと思っています。決められた仕様に沿ってソフトウェアを開発するだけでなく、企画検討の段階からソフトウェアの観点で提案をすることもできます。お客さま価値の実現のために要求分析を徹底的に行い、それを自分たちでソフトウェア仕様に落とし込んで開発していきます。
さらに、設計、コーディングも一貫して行うので、エンジニアとしての設計力がとても身に付きますし、もともとモノ作りが好きな自分にとっては、モノを作って動かしていることが実感できるのも嬉しいですね(笑)
また、エプソンは自社ブランドを持つ完成品メーカーなので、お客さまからフィードバックをいただける機会や環境があり、自分たちが作るソフトウェアがハードウェアを動かし、IoTでアプリケーションやクラウドと繋いで、お客さまにサービスやソリューションをお届けするという製品開発がとても自分事に感じられるのもやりがいを感じるところですね。

伊藤さんはエプソンに中途入社されていますが、エプソンで働く魅力は感じられていますか? 転職を決意された動機を教えてください。

伊藤:そうですね。 私は前職でもソフトウェア開発を行っており、その業務自体は嫌いではなかったのですが、グループ会社ということもあり、決まった製品仕様に基づいて設計を行うことが大半で、なかなか仕様を考えるというところまで入ることはできず、もどかしさを感じていました。もっと製品仕様の検討から参画してソフトウェア開発をしていきたいという思いから転職を決意し、エプソンに入社しました。
実際にエプソンで働いてみて、自分のやりたかった開発業務が徐々に実現できていることを私は今実感しています。

具体的にどのようなところにやりがいや楽しさを感じますか?

伊藤:私も滝澤さんと同じですが、やはり完成品メーカーとして仕様検討から始まり、それだけではなく、そのまま設計もコーディングも自分たちで行えるところですね。私は現在、メカ駆動制御のファームウェア開発を担当していますが、既に他の設計部門と仕様の打ち合わせも行っていて、こちらから提案した仕様が受け入れてもらえる環境があります。
エンジニア自らがお客さま価値を考え、製品がより良くなるように仕様を考え、それをチーム全員が自分たちの力で作り込んでいくというのはエンジニアとしてとても楽しいですし、やりがいを感じますね。
もう一つ、お客さまが国内だけでなく世界中にいるという点も魅力だなと思っています。

滝澤:グローバルというのは魅力だよね。

伊藤:はい。エプソンは売上の約80%は海外なので、お海外販売会社を通じてお客さまからの要望が全世界から届きます。それを仕様に落とし込んでいきます。日本にいながら、自分たちの作った製品を世界中のお客さまが使ってくれているというのは、ともておもしろい感覚だなと感じますし、ダイナミックに世界のビジネスに関わっていることを実感しています。

滝澤:世界と関わっているというのはとてもやりがいを感じますね。
私も実際に海外出張で、中国、アメリカ、アイルランドに行きましたね。最近はリモート環境が整備されているので、Web会議で完結することが多いですが、やはり、海外のお客さまと直接会って感度を肌で感じるのはエンジニアとしてとても良いことだと思っています。なので、チームの若手メンバーにも積極的に、エプソンが出展する海外の展示会に同行して、世界を見てきてもらうようにしています。

とてもやりがいが伝わってきます。業務以外ではエプソンの特徴として何か魅力を感じる点はありますか?

伊藤:働き方もいいなと思っています。ソフトウェア、特にファームウェア開発だと、とても忙しく業務に追われている印象があるかもしれませんが、過度な残業はなく、年休も取得しやすいため、バランス良く働けています。もちろん開発フェーズによっては忙しい時期もあるのですが、メリハリをつけ、一人に負荷が集中しないようにチームで協力しながら業務負荷を分散しています。
また、キャリアアップについても、新卒入社者と中途入社者で全く差別がないのもエプソンの良いところですね。

信州から世界へ。自然豊かな信州・長野県で心をリフレッシュして働く

伊藤さんは転職を機に長野県に移住されたと思いますが、こちらでの生活はどうですか?

伊藤:楽しんでいますよ!
私は愛媛県出身で、前職では中部エリアに住んでいましたので、長野県に住むのはもちろん初めてです。しかし、私はもともとカメラが趣味で、自然を撮影することが好きでした。なので、長野県の自然の中で山に登ったり、ドライブしたりして、きれいな風景を写真撮るのは最高です。
また、松本市にはショッピングモールもありますし、飲食店や居酒屋もたくさんあります。生活するうえで困ることもないですし、街としてとても住みやすいですよ。

乾:私は長野県出身で、ずっと長野県に住んでいますが、私自身とても住みやすい街だと感じています。空気も綺麗ですし、気候も湿気が少なく、夏も夕方には涼しく心地よいです。松本・塩尻市エリアは、意外と雪も少なく全国的には降水量が少ないことで知られていて、晴れの日が多いのも魅力ですね。雪は少なくても冬の気温は低いですが・・・(笑)
住環境の物価も安く、子育てや医療機関も充実しており、長く暮らしていくにはとても良い場所だと思います!

ありがとうございます! 最後に記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

滝澤:エプソンでは中途入社者が多く活躍しています。入社後には手厚い教育制度もあり、部門やチームごとのプロセス教育も用意されているので、他業界の出身者もスムーズに会社や業務になじみやすいと思います。
新しいことにチャレンジしたい、新しい技術を使ってグローバルに社会貢献したい。そういった意欲にあふれる新しい仲間と働けることを楽しみにしています!