ビジネスモデルの変革期。エプソンの未来を開く事業に貢献する

信州に拠点を置きながら、世界の約170の国と地域に販売網を持つグローバル企業として事業成長を続けるセイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)。同社は今、インクジェットプリンターをはじめとする機器の製造・販売から、ソフトウェアを主体とした共創によるビジネス拡大を推し進めています。ビジネスモデルの変革を担い、世界を舞台に活躍するP企画設計部の社員2名にお話を伺いました。

P企画設計部 課長/石田 豪(左)(2025年1月21日時点)
P企画設計部 シニアスタッフ/石川 祐司(右)(2025年1月21日時点)

はじめに、お二人のご経歴について教えてください。

石田: 私はエプソンに入社以来、プリンタードライバーのソフトウェア設計に携わってきました。そのなかで、欧米の販売会社との協業をきっかけに海外で働く楽しさを知り、自ら希望して、2018年からエプソンアメリカに赴任しました。
エプソンアメリカは北南米エリアのマーケティング・セールス・サポートを主とする販売会社であり、私が従事していたソフトウェア設計とは畑が違う環境でしたが、技術営業として飛び込みました。非常にタフな環境でしたが、お客様と向き合うなかで販売と技術は切り離せないと実感すると同時に、国籍や文化を越えて人間関係を築くスキルを学べました。その後コロナ禍をきっかけに帰国し、現在はP企画設計部で課長を務めています。

石川: 私は2014年に入社後、スキャナードライバーのソフトウェア設計チームに配属されました。製造・販売実習を経て、プログラミングをメインに海外出張も含めてさまざまな経験をしたのち、2020年に商業・産業向けプリンターの測色機「SD-10」のソフトウェアを設計する部門へ移り、新しいソフトウェアの立ち上げを担当しました。現在はP企画設計部で、新しい挑戦をしているところです。

現在お二人が所属するP企画設計部の概要と、それぞれのご担当業務について教えてください。

石田: P企画設計部はプリンティングソリューションズ事業本部の傘下にあり、われわれはソフトウェアの企画・設計を担っています。プリンティングソリューションズ事業本部では、自社のプロダクトを製造・販売する従来ビジネスに加え、ソフトウェアを主体とした共創によるソリューションビジネスの拡大を狙っています。
そのうち私が携わっているのは、ドライバー、SDK(ソフトウェア開発キット)などお客様のシステムとつながって使われるソフトウェアをカスタマイズして設計・ソリューションを提供し、お客様要望を実現し案件を獲得するといった業務です。現在は課長としてプリンターやスキャナー製品のソフトウェアの企画推進業務を行っています。

石川: 私は、ポスター印刷やTシャツ・マグカップ等のオリジナルグッズの作成を行えるオンデマンド印刷サービス「Epson Craft Studio」の企画推進業務に従事しています。Epson Craft Studioは、有償ソフトをサブスクリプション形式で販売するという当社にとってチャレンジングな取り組みで、私はその立ち上げフェーズからプロジェクトリーダーを担っています。
戦略・企画・設計・品質保証・営業など部門横断で取り組んでいるプロジェクトでもあり、営業だけでなく品質保証部門も設計に対してユーザー目線で仕様を提案したり、企画・設計がマーケティングに近い戦略領域にも意見を出したりなど、部門の垣根を超えた議論が活発に行われています。エンジニアでありながら商品設計や販売領域にも関わって製品をブラッシュアップしていけるのは、エプソンならではの面白さだと感じます。

海外での活躍機会も。お客様と向き合い、エンジニアとしてさらなる成長を

先日米国マイアミで開催された「Adobe MAX」にエプソンが出展されていました。お二人も現地に行かれたそうですね。

石田: はい。Adobe MAXは、アメリカを代表するソフトウェアメーカー・Adobe社が行うクリエイター向けのイベントです。エプソンは「Your work on almost everything」(=あなたの作品をあらゆるものに)をコンセプトに小型の商業プリンターを使ったブースを出展し、来場された方々の作品をその場ですぐ、トートバッグやTシャツに印刷してお渡しするというデモンストレーションを行いました。
今後ソフトウェアを含めたソリューションを提供・提案していくというエプソンの事業戦略に照らし、印刷によって「デジタルなものを物理的な(手に取れる)ものにする」というエプソンの得意分野を、デジタルな成果を主とするAdobe製品のユーザーや関係者に広くアピールしていきたいというのが狙いでした。非常に好評をいただき、Adobe社からもぜひまた次もとお声がけをいただきました。

石川: 過去のイベントでは既製品をその場で印刷して配るサービスを行っていたのですが、今回はEpson Craft Studioを活用して、よりパーソナライズ性を強めたら面白いのではないかと、エプソンからAdobeへ提案して実現させたデモンストレーションだったんです。ブースを訪れる客足は絶えず、「印刷して形にする」という体験は世界共通で喜んでいただけること、また、ワールドワイドで成長しているパーソナライズグッズ市場において、Epson Craft Studioが価値を提供できることを確信しました。

メーカーで働くエンジニアが、海外に出張し、さらにお客様と直接対話するような機会を得るのはめずらしいと思います。エプソンでは日常的なことなのでしょうか。

石田: ソフトウェアを主としたビジネスを展開するうえで、お客様のシステムとの連携、顧客理解は非常に重要であり、お客様と直接会話したり折衝したりする機会をとても重視しています。ですから、Adobe MAXに限らず海外に出向いてお客様とコミュニケーションを取る機会が日常的にありますし、1~2カ月に一度はメンバーの誰かが海外に飛んで顧客対応をしています。もちろんこの対応には相応の語学力や技術力が求められますが、エプソンは世界各地に販売・サービス拠点を持つので、グローバルに働くチャンスを誰もが得られます。

石川: そうですね。社内には英語で議論するメンバーも多く、そうした環境で働くなかで、私はグローバルなキャリアに興味を持つようになりました。海外の販売会社で製品トレーニングをするプロジェクトに手を挙げて、1週間ほど中国へ行ったこともありますし、カザフスタンにトラブル対応に赴いたこともあります。さまざまな挑戦の機会がエプソンにはありますね。

エンジニア自身がお客様と直接対話することにどのようなメリットがありますか。

石田: お客様にとって使いにくい点など仕様上の気づきが得られることに加えて、私にとっては何より自分が作った製品を使い、喜んでいただけていることを肌で感じられるのがモチベーションにつながっています。また、どんなプロジェクトであっても「誰に何の価値を提供するのか」は最も大切な旗印で、その具体を知るのはやはり現場を訪れるのが一番でしょう。

石川: エプソンは、単に製品を売るのではなく、その製品を活用する「お客様のビジネスを成功させる」こともミッションとしています。だからこそ、感謝も不平不満も含めてお客様の声を聴き、本当に価値あるものは何かを考え、見極め、作り、提案していける力が求められます。技術力の向上のみならず、製品の先にあるお客様のビジネスへの貢献という心構えや感覚を養っていけることは、エンジニアとして一段高い成長につながると思っています。

信州・長野で、キャリアとプライベートの両方を充実させる

信州を拠点に設計業務を手掛け、そしてグローバル拠点も飛び回る。とても忙しそうな印象ですが、働き方はいかがですか。

石川: エプソンは柔軟な働き方ができる会社で、ライフイベントなどプライベートと仕事を両立しやすいと感じています。例えば、私は今3歳差で2人の子どもがいるのですが、それぞれ育児休業を取得しました。2人目のときには、産まれる前後で約2カ月間取得しています。会社が性別を問わず全員が育休を取得することを奨励していることもあり、現在の育休取得率98%(女性:98%、男性:85% ※2023年度実績)に達しています。

石田: 課長としてマネジメントする際には、子育てに限らず病気や介護などさまざまな事情を考慮し、チームで計画的に業務を進められるよう差配しています。石川さんが育休を取得したとき、実は彼が参画するプロジェクトが佳境だったのですが、私も他メンバーも「ぜひ育休を取得してほしい」という思いでサポートし合うことで、無事にプロジェクトを完遂させられました。お互いを尊重できる、チームワークのある組織です。

石川: その節は本当に助かりました。今は、在宅勤務やフレックス勤務ができる環境がありがたいですね。子どもの送迎や看病など、突発的なことがあっても制度を活用して柔軟に働けています。Adobe MAXのような大型イベントの準備期間など繁忙期もありますが、家庭で過ごす時間を大切にしながらプライベートを充実させられています。

挑戦の機会にあふれるエプソンで、思い描いたキャリアを実現する

最後に、記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

石川: 私はエプソンに入社してから、複数の部門を経験し、エンジニアリングのみならず企画やプロジェクトリーダーなどさまざまな経験をさせてもらいました。振り返ると、自分がやりたい業務やチャレンジしたいことを、会社に伝え続けてきたことが功を奏したように感じます。当社には、自分の意志を伝える場と、それに応じた挑戦の機会があります。挑戦心にあふれる方にとって、活躍や成長のチャンスにあふれた魅力的な場だと思います。

石田: エプソンに入社すると、多くが信州・長野県での勤務になります。転居を伴う転職に不安を感じる方もいるかもしれませんが、実際にエプソン社員の約7割は県外から移り住んでおり、移住後のキャリアとプライベートをそれぞれに充実させています。ぜひご安心いただければと思います。
ここではエンジニアリングを極めたプロフェッショナル、企画もできるエンジニア、そのどちらのキャリアも目指せます。また、石川さんが担当するEpson Craft Studioのような、事業の核となる新しいプロジェクトに取り組む機会もあります。スキルに見合った業務はもちろんですが、成長意欲や伸び代を重視したアサインをしているので、熱量やバイタリティーのある方にご参画をいただき、会社と共に成長していただければうれしいです。

「出典:ビズリーチ 公募ページ「セイコーエプソン株式会社」(2025年1月21日公開)より転載」