入社動機

進学で離れた地元・長野に戻っての就職を希望。県内の有名企業としてなじみが深かったエプソンの選考を受け、ワークライフバランスや社員の雰囲気にも惹かれて入社を決めた。

01

エプソンの座談会で知った、
知財という理系の活躍舞台。

長野に戻って就活しようと思ったきっかけは?

離れてみて気づいたことですが、やはり自分には長野の風土が合っているのだと思いました。例えば、学生時代に暮らしていた名古屋では、自宅を出た時にまずビル群が目に入ります。しかし私は、遠くに山並みを眺めて安心したかった。そういったことの積み重ねですね。他県での就職をまったく検討しなかったわけではありませんが、「長野で」「エプソンで」という思いは常に強く持っていました。昔からエプソンは身近な存在でしたし、先輩社員との座談会に参加して、人柄のよさに惹かれたこともあります。そういえば、知財という仕事の魅力を知ったのも、座談会がきっかけでした。

知財の仕事にどのような魅力を感じたのですか?

知的財産の権利化を通じて、エプソンの「最先端」を守っていく——その考え方が当時の私にとっては新鮮でした。もともと私は機械系を学んできたので、設計をやりたいとストレートに考えていました。けれど設計の場合、ものを生み出す面白さを思いきり味わえる反面、担当範囲は一部に限られます。知財なら、自分で何かをつくるわけではないものの、製品全体の技術を俯瞰することができる。それぞれに異なった魅力があるのです。私は配属希望先として両方を挙げ、結果として特許技術部に配属されました。

02

発明の価値はどこにある?
正解がないから「まず、やってみる」。

特許技術部での仕事内容を教えてください。

知的財産を守る権利は、3種類に大別できます。デザインの「意匠権」。ブランドの「商標権」。そして私が担当する、技術を守る「特許権」です。私の仕事は、オフィス用プリンターのメカ機構に盛り込まれた「発明」を洗い出すところから始まります。設計部門から受け取ったリストや、発明者本人へのヒアリングを通じて特許性を見極め、出願すべき技術を決定します。どのようにアピールするかを方針化し、文書に落とし込んで特許庁に提出するのです。一方で、他社の特許権を侵害していないかどうかを調べることも大切な業務です。エプソンといえば、知財に力を入れていることで業界でも有名です。その最前線にいることに手応えを感じますし、設計を始めとする他部門の社員が揃って協力的なのも、「さすがは知財のエプソン」という印象です。

専門性が非常に高そうですが、どのように業務を習得したのですか?

入社1年目の8月まで、特許に関する法律や制度、権利化までのフローといった基本を学習。そのあとは2か月ほどかけて、配属先の分野に関する特許を読み込みました。というのも、特許に関連する文章はスタイルが独特で、初見ではかなり難解。それを理解できるようになることが第一歩なのです。初仕事は、過去に一度は出願したものの、特許庁から差し戻された文書のブラッシュアップでした。アピールポイントを改めて明確にし、文書を練り直して再提出に挑みました。はっきりとした正解がないからこそ、先輩にフォローされながらも「自分でやってみる」「何度もやってみる」。そんな環境を用意してもらえたおかげで、知見を蓄えていけたのだと思います。

オフィス用プリンターのメカ機構を中心に特許出願を担当。
入社後に始めた乗馬。馬の背中に乗って、美しい自然を眺めるのが気に入っている。

03

技術を俯瞰する、
裏方の醍醐味。

どのような点にやりがいを感じますか?

発明を発掘するために設計部門に話を聞くと、本当に細かいところにまで工夫を凝らし、苦労に苦労を重ねて設計していることがよく分かります。その根底にあるのはきっと、企業行動原則の最初に書かれている「お客様満足の追求」。お客様のためなら、絶対に妥協しない姿勢のあらわれです。その結晶のような技術を、権利化することで確実に守る。それこそが知財のやりがいであり、原動力だと思います。

特に印象に残っている仕事を教えてください。

2023年2月、初めて主担当として出願に関わった製品が発売されました。技術のどこを「推し」にするべきかを手探りしながら、製品発表までの短い期間で出願を完了させるのは大変でしたが、製品の紹介動画を見ると、出願した部分がしっかりクローズアップされているのです。あの時は、大きな達成感を覚えました。知財は裏方かもしれない。けれど、製品への確かな貢献がある。その実感があったからこそ、製品の発売が非常にうれしかったですね。

エプソンで今後挑みたいことは?

設計部門が、やりたい設計を心おきなくできるように特許リスクの低減に貢献していきたいですね。良い特許を他社よりも先に権利化することで、設計に制限をつくらない。もちろん、他社の権利を侵害するようなリスクは徹底的に避ける。多くの権利を持つことで特許網が構築され、市場優位性にもつながります。将来的には、特許権を活用していく部門も経験してみたいと考えています。その時、自分自身が出願と権利化を行った特許を活用できたら理想的ですね。

One Day Schedule

1日のスケジュール例

8:45
出社
メールチェックと予定の確認。定時は8:30だが、少し後ろに遅らせている。渋滞がないので車通勤も快適。
9:00
朝会
必要に応じて開催。上司からの連絡事項などを確認する。
9:30
アイデア会議
設計部門がリストアップした技術をもとに、その特徴についてヒアリングを行う。
13:30
出願に向けた打ち合わせ
ランチのあと、発明者に特許事務所も交えて特許出願に向けた打ち合わせ。その内容に基づき、特許事務所への依頼も行う。
15:30
書類作成
権利化の方針を決めた案件について、特許庁に提出する書類や特許事務所への指示書を作成。続いて、特許事務所との打ち合わせに備えて出願の方針案を作成。
19:00
退社
週の半分程度は在宅勤務。所属している課では在宅では残業ができないため、業務が集中し、仕事の積み残しができてしまうような場合には、出社した時に少し長めに頑張ることも。

Off Style

オフの過ごし方

阪神ファンなので、試合がある日には中継を見ています。WBCの決勝は午前半休を取ってリアルタイムでテレビ観戦し、ものすごく感動しました。休日はよくドライブに行きます。諏訪湖、美ヶ原、霧ヶ峰など、それほど遠征しなくても景色の良い場所が多くあります。また、最近は車だけではなく、乗馬にも興味があります。