入社動機

腕時計の複雑さに魅了され、時計メーカーへの就職を希望。高専卒での入社が可能だったエプソンのインターンシップに参加し、雰囲気の良さを感じ入社を決める。

01

憧れだった腕時計のムーブメントを、
世の中に送り出す側へ。

エプソンを志望したきっかけを教えてください。

高専で機械工学を学ぶうちに、機械式時計の構造の奥深さに惹かれるようになりました。時計メーカーに就職しようと思い立ったのですが、そのほとんどが「大卒限定」。エプソン以外には選択肢がなかったというのが正直なところです。ただ、結果的には必然ともいえる最善の選択になりました。インターンシップに参加してみたところ、社内の雰囲気がとても良く、関わった社員がとても親身になって接してくれました。この会社なら、きっと働きやすいはずだ——そう確信したことで、入社を決めました。

現在の仕事内容を教えてください。

入社時から腕時計のムーブメントに使われる部品の製造技術を担当しています。部品をつくるための技術開発や、品質管理に向けた取り組み、問題が発生した場合の対応などが主な業務です。たとえば、新規の製品が発売されることが決まった時。まず、設計部門から部品の図面が届きます。それを検証し、量産が可能かどうかを判断。より効率的に製造するための形状改善にも設計部門と共に取り組みます。その後、実際に製造を行う現場とコミュニケーションを重ねながら、必要な工具や治具を設計。製造された部品にもし不具合があれば、原因の究明と改善を行います。

02

100分の1ミリの精度追求を、
50部品にわたって支える。

腕時計特有の難しさはなんですか?

部品がそもそも小さいうえに、100分の1ミリ単位で精度を求められること。さらに、一人ひとりが担当する部品数が多いことです。ムーブメントには多くて200個ほどの部品が使われますが、私はそのうちの50個ほどの製造技術を担当することもあります。そこまでいくと、設計部門と製造部門の会議をこなすだけで1日が終わってしまうほどです。大変ですが、自分がずっと憧れていたものに携われる、その嬉しさの方が強いですね。ムーブメントは、めったにお客様の目に触れることはありません。けれど、そこに使われている部品のひとつひとつが、腕時計の「動いて当たり前」を支えている。そのことにやりがいを感じます。

周囲にはベテランも多いそうですね。

歴史の長い製品ですから、事業全体で見ると年齢は高めです。ずっと腕時計一本でやってきた、50代や60代の職人も珍しくありません。プライドを持ち、品質にこだわり抜く姿にこちらの気も引き締まります。技術の継承についても熱心で、私たちの成長をさまざまな形で後押ししてくれています。一方で、製造技術に限れば同期や年齢の近い先輩も多いですね。気遣いをしてくれる人ばかりで、ちょっとしたアドバイスも気軽に受けることができます。憧れのベテランとも、共感できる若手とも人間関係を築ける、いい環境だと思います。

部品によっては海外のグループ企業にも製造を委託。現地の状況を把握するため、視察の機会もある。
松本空港のそばにある信州スカイパーク(以下スカイパーク)。仲間とのバスケにも、一人での散歩にも絶好の場所。

03

小さな腕時計に詰まった、
奥深いコミュニケーション。

これまでに携わった仕事で、もっとも印象に残っていることはなんですか?

ある部品に品質問題が発生したことです。私には全く原因がつかめない中、先輩は部品特性、材料、製造工程、製造機械、送品方法、製造履歴、部品についた傷の位置など、あらゆる情報を突き合わせながら原因を予測。究明に至りました。経験と知識の豊富さから生まれる、「仮説を立てる力」の凄味に圧倒される経験でした。あの時の先輩を思い出しながら、私は腕時計の長い歴史に織り込まれた知識をじっくり学び、不具合の原因究明に役立てています。技術的な好奇心と、品質を背負う責任の両方を感じられる、私にとってはもっともやりがいのある業務です。

入社してから、自分はどのように変わったと思いますか?

行動力がついたと思います。特にコミュニケーション面ですね。設計、製造現場、品質保証など、さまざまな立場の人に積極的に話しかけ、議論したり、必要な情報を入手したり。製品としては小さな腕時計ですが、そこにはたくさんの人の技術や哲学が詰まっています。一人では決して形にできないものだからこそ、コミュニケーションを重ねることの大切さが身に染みているのかもしれません。そんな私の腕時計は、当然ですがエプソン製です。

エプソンで今後挑みたいことは?

腕時計は非常に奥が深く、極めがいのある製品です。できればこれからも腕時計に関わり、次の世代へ継承していけるような存在になりたいと思っています。そのためにも、積極的な行動を継続することで経験と知識を増やし、多角的な視点からの製品のつくり込みや品質問題に対応できる技術者を目指したいですね。

One Day Schedule

1日のスケジュール例

8:15
出社
メールチェック。直接は関わっていない仕事にも目を通し、部署の動きを全体的に把握。
8:30
朝会
課全体としての連絡事項を共有したのち、外装とムーブメントのチームに分かれてさらに詳細な打ち合わせ。
8:45
新製品対応
新しい部品の製造に向けて、加工図面を作成。改善策の立案も。
11:45
ランチ
同期と一緒に食堂へ。
12:45
海外現地法人との定例会
製造の委託先であるマレーシアのグループ会社とミーティング。近く、現地視察にも行く予定。
14:00
品質問題への対応
部品の不具合について急な相談があり、即座に対応。良品と比べながら問題点を突き止め、改善策を立てる。
18:00
退社
技術通知の資料や、問題のあった部品についての試験結果をまとめたのち、退社。

Off Style

オフの過ごし方

同期とバスケやゴルフに野球、冬になればスノボを楽しんでいます。つい先日も野球をやったのですが、同期だけで18人集まり、フルメンバーでの試合が成立しました。また、松本空港のそばにあるスカイパークで散歩するのも好きです。花や木々に囲まれていると、とてもリフレッシュできます。ドッグランもあるので、いつか犬を飼って一緒に遊ぶのが夢です。